2026年3月12日

【会計監査人設置|学校法人向け】改正私立学校法への対応は万全ですか?決算スケジュールの変更点と注意点を徹底解説

令和7年度(2025年度)決算は、令和5年改正私立学校法の施行後、初めての改正法に基づく決算となります。3月決算の学校法人にとって、4月以降は書類作成から監査、理事会・評議員会の開催まで、適切なスケジュール管理が求められます。本記事では「会計監査人設置法人」を対象に、実務の流れに沿って決算スケジュールと見落としがちな注意点を整理しました。

1.学校法人決算で作成する計算書類や内訳表の構成

学校法人会計基準の施行により、作成すべき書類の構成が以下のように変更されました。

  • 計算関係書類:従来の計算書類が、計算書類(会計基準第16条)及び附属明細書(会計基準第41条)で構成されます。
  • 計算書類外へ:内訳表(資金収支内訳表、人件費支出内訳表、事業活動収支内訳表)は所轄庁へ提出が求められる書類として位置付けられました(私学助成法施行規則第2条)。
【旧会計基準による計算書類】 【改正会計基準による計算関係書類】
計算書類 計算関係書類
計算書類
資金収支計算書 資金収支計算書
資金収支内訳表 (計算関係書類外へ※4)
人件費支出内訳表 (計算関係書類外へ※4)
活動区分資金収支計算書 活動区分資金収支計算書(※1)
事業活動収支計算書 事業活動収支計算書
事業活動収支内訳表 (計算関係書類外へ※4)
貸借対照表 貸借対照表
注記事項(※2)
附属明細書(※3)
固定資産明細表 固定資産明細書
借入金明細表 借入金明細書
基本金明細表 基本金明細書(※1)
財産目録 財産目録

2.学校法人の決算スケジュール例(会計監査人設置)

会計監査人を設置している学校法人の「決算から理事会・評議員会までのスケジュール」を例示すると以下のようになります。なお、ここでいう計算書類等とは、1.の表の計算書類及び事業報告書並びにこれらの附属明細書をいいます。
「決算スケジュール例〜令和8年3月期」(会計監査人設置)

3.決算スケジュール策定時の注意点

会計監査人設置法人における、特に留意すべきポイントは以下の3点です。

①監査報告の順序と調整

今回の決算からは、監事の監査報告よりも前に、会計監査人の監査報告を受領することとなりました。また、会計監査人から監事へ「会計監査人の職務の遂行に関する事項」(私学法施行規則第37条)の通知も必要となるため、事前に会計監査人とスケジュールを調整し、順番に齟齬がないよう準備してください。

②招集通知の「一週間前」の解釈

招集通知は、理事会や評議員会の日の一週間前までに、通知を発することとされています。この「一週間前」とは、開催日との間に丸7日間の「あいだ」を空けるという意味です。

: 6月12日に理事会を開催する場合、中7日を空けるため、6月4日までに通知を発信(投函)しなければなりません 。6月5日では間に合わない点に注意が必要です。

③内訳表(事業活動収支内訳表、資金収支内訳表及び人件費支出内訳表)の承認日について

内訳表(事業活動収支内訳表、資金収支内訳表及び人件費支出内訳表)は、計算書類とは承認のタイミングが異なりますのでご注意ください。

承認フロー: まず「学校法人内部の正規の手続」を経てから、公認会計士等による監査報告を受領する流れとなります (「私立学校振興助成法第14条第4項に基づく書類の提出等について(通知)」6文科高第1457号令和6年12月9日)。「正規の手続」とは必ずしも理事会承認である必要はなく、寄附行為又は内部規程に基づく理事長や財務を担当する理事等の適切な権限者の決裁や適切な会議体の決議による承認で良いとされています。

このような順序となった背景としては、私立学校振興助成法に基づく公認会計士等の監査は、昭和46年5月10日付け文管振第69号文部省管理局長通知「日本私学振興財団法附則第14条第1項に規定する会計年度等を定める政令および学校法人会計基準の制定について(通知)」の記のⅠの4を踏まえ、「学校法人内部の正規の手続」を経た書類に対して監査報告を行うこととされたためです。

一方で、内訳表は計算書類に記載される額を区分して作成されることから、令和6年文部科学省告示第132号が指定する人件費支出内訳表の監査報告のために必要な公認会計士等の監査と改正私学法第104条第2項に基づく会計監査人の監査を効果的・効率的に受けるため、これらを一体的に受けることができることとされており、会計監査報告書はいずれも同日付で発行することが考えられます。

大阪府では、このような状況を踏まえ、以下のようなスケジュール例が掲載されています。
<「令和7年度以後の私立学校振興助成法に基づく監査及び書類の提出等について(教私第1790号通知 概要資料)令和7年8月大阪府教育庁私学課」より抜粋>

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