2026年7月30日

骨太の方針2026について

2026年7月21日、例年よりも約1か月遅れて、国の重要課題や政策の方針を示し次年度の予算編成の方向性を決める「経済財政運営と改革の基本方針2026」(以下、「骨太2026」と言います。)が閣議決定されました。今年の副題は「「責任ある積極財政」元年〜日本の挑戦を起動する!」で、「強い経済」の実現が強調されています。成長戦略の強力な推進も謳われています。なお内容としては、従来記されていた「財政健全化」の言葉が無くなりました。今回は骨太2026から、主として医療、介護、社会福祉等に関係する部分を説明します。

医療、介護、社会福祉等に関する概要

①質の高い効率的な医療・介護サービス提供体制の構築
②医療・介護DXやICT等による生産性向上や省力化
③サービス需要の地域差に応じた中山間地域での柔軟な対応
④協働化・大規模化による経営改善の取組み
など、骨太の方針2025(以下、骨太2025)で示された医療・介護・福祉の方向性の多くは、骨太2026でも継続されています。なお骨太2025の第3章で「2.主要分野ごとの重要課題と取組方針」に列記されていた「(1)全世代型社会保障の構築」は、「2.全世代型社会保障の構築」と格上げされ、国民皆保険・皆年金を将来にわたって「維持」という表現が、国民皆保険・皆年金を「堅持」と、より強い表現となりました。しかし「公的保険を補完する民間保険の開発」という記述は無くなりました。

人材確保と処遇改善

人材確保・処遇改善については、骨太2025の流れを大きく引き継ぎつつ、より戦略的な位置づけに格上げされています。2020年代に全国平均1,500円を目指すとする最低賃金は、達成時期が「2030年代前半できる限り早期」と修正されたものの、継続しています。物価上昇を1%程度上回る賃金上昇をノルム(社会通念)として定着させるという目標はそのまま継続しています。

医療、介護、保育、福祉等の人材確保についても、概ね継続していると考えられます。ただし骨太2025にあった「全国で必要な介護・福祉サービスを確保するため、外国人を含む人材確保対策を進める」という文言は無くなりました。むしろ外国人全般としてではありますが、一部の外国人による問題のある行為に対して必要な措置を講ずること、日本社会の一員として責任ある行動をとるための教育を強化すること、土地取得等のルールを取りまとめることなどが盛り込まれました。

「アドバンスト・エッセンシャルワーカー(デジタル技術等も活用して、現在よりも高い賃金を得るエッセンシャルワーカー)の育成」もそのまま引き継がれています。これは経済産業省の経済産業政策新機軸部会等で議論されていた「アドバンスト・エッセンシャルサービス業」に従事する者と考えられますが、当該事業には「医療、社会福祉・介護」も含まれています。なお「医療・介護・障害福祉分野の不適切な人材紹介の問題について実効性ある対策を講ずる」という文章が無くなっています。

その他「骨太2025」からの変更点

従来用いられていた「国民負担率」ではなく「社会保障負担率」という用語が用いられています。国民負担率に含まれている税負担を議論から切り離す意図かもしれません。「官公需における適切な価格転嫁を徹底する」という表現も盛り込まれましたが、物価上昇や歳出増を想定したものと考えられます。
これからどのように具体化されていくのか、注視したいと思います。

本ページの掲載内容は当法人が発行する「気まぐれ通信」2026年7月号の内容と同一です。

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