2026年2月28日

外国人労働者の雇用状況について

厚生労働省が公表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によれば、令和7(2025)年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人となり、届出が義務化された平成19(2007)年以降の最多を記録しました。対前年増加率は11.7%と前年の12.4%から0.7ポイント低下しましたが、対前年増加数は26万8,450人と前年の25万3,912人よりも1万4,538人増加しました。総務省の「労働力調査」によれば、2025年10月のわが国の雇用者数は6,214万人なので、外国人労働者数が占める割合は4.1%となっています。

国籍別で見ると、ベトナムが最も多く60万5,906人(外国人労働者数全体の23.6%)、次いで中国(香港、マカオを含む)が43万1,949人(同16.8%)、以下、フィリピン26万869人(同10.1%)、ネパール23万5,874人(同9.2%)、インドネシア22万8,118人(同8.9%)、ミャンマー16万3,311人(同6.4%)、ブラジル13万4,645人(同5.2%)、韓国8万193人(同3.1%)、スリランカ5万427人(同2.0%)の順です。

「医療、福祉」分野における状況

外国人労働者のうち「医療、福祉」に従事している人数は、前年よりも2万9,755人増の14万6,105人になりました。この分野で外国人労働者数が占める割合は1.6%、うち「福祉(社会保険・社会福祉・介護事業)」を抜き出して計算すると2.3%ですが、いずれにしても全産業における割合よりは低くなっています。この分野では職種ごとに各種の資格制度が有る点や、患者や利用者と直接接するための高い語学力が求められる点が低率の主な要因かと思います。しかしこの10年、外国人労働者は20%~30%台の増加率で推移しており、人材不足を外国人労働者で賄っている実態を表していると言えます。

「医療、福祉」に従事している外国人労働者を国籍別で見ると、インドネシアが最も多く2万8,224人(「医療、福祉」総数の19.3%)、次いでミャンマー2万7,361人(同18.7%)、ベトナム2万4,820人(同17.0%)、フィリピン2万3,861人(同16.3%)で、この4か国で7割を超えています。

また、「医療、福祉」に従事している外国人労働者を都道府県別に見ると、最も多いのは東京都の1万8,010人、次いで大阪府の1万5,158人、愛知県の1万1,056人、神奈川県の1万147人など大都市圏に多いですが、都道府県ごとの外国人労働者数に対する「医療、福祉」の従事者数の割合を見ると、奈良県の17.0%を筆頭に、徳島県、和歌山県、青森県など、地方部において高率となっており、地方における人材確保の困難さがここからも感じられます。

特別養護老人ホームにおける外国人雇用の状況

福祉医療機構(WAM)が融資先や経営動向調査モニターに対して実施した「2025年度 特別養護老人ホームの人材確保に関する調査について」(リンクをクリックするとPDFがダウンロードされます)では、外国人を雇用している施設は65.1%で、4年前の調査の概ね1.5倍となっています。地域区分別に見ると1級地~3級地が76.2%、4級地~7級地が68.3%、その他地域が59.0%で、都市部のほうで雇用が進んでいるものの、地方においても過半の施設で雇用していることが分かります。

今後も介護需要の急増と深刻な人手不足の進行が予想されており、人材確保の手段としての外国人雇用は避けて通れません。言語や教育の困難さや文化・習慣の違いなど、課題もおおく挙げられていますが、実際に受け入れたうえでそれらの課題と向き合い、制度を含めて見直しも検討し、施設全体、社会全体で受け入れる体制づくりが必要ではないでしょうか。

本ページの掲載内容は当法人が発行する「気まぐれ通信」2026年2月号の内容と同一です。

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